『江副浩正』(11)

引き続き第5章です。

リクルートは採用広告、採用情報誌の事業についで、テスト事業が誕生したところです。

この頃のリクルートはテスト事業だけで五千万円の売り上げという記事が出されるくらい注目の的となっていました。

 

しかし、このテスト事業が成功している裏でリクルートは苦しんでいました。

就活の解禁日と同時に各社が面接をして、テスト実施に動き出すため、全ての業務が短期間に集中してしまったのです。人気になったので、採点の人が足りなくなっていたのです。

 

私はこのときてっきり、コンピューターで採点したりデータ管理をしていると今の感覚で思ってしまっていましたが、まだコンピュータなど普及していない時期です。

つまりリクルートは今までの掲載企業の沿革、概要、地図など毎年手書きでかき、手書きのものを保管していました。

手書きで毎年そのようなことをしたら効率が悪いため、江副はこのコンピューターを使って採点したり、原稿作成をしたり、情報を管理したりしたいと考え始めました。

 

コンピューターがこの普及していないなかでこういったことを考え、導入する決断はすごいなと感心しました。やはり新しいことをしていきたいという江副の行動力がここにも出ています。

 

そしてその後リクルートのコンピューター化は加速していき、スピードと制作効率が具現化したそうです。