『江副浩正』(12)

6章はドラッガーについてかかれていました。
ここまで特に師とするものもなく独自の考えで事業を展開してきた江副がピータードラッカー著の『創造する経営者』という本と出会い感銘を受けたことが述べられています。

 

なかでもドラッカーの『経営とは社会変革である』 『経営とは顧客の創業である』『経営とは実践である』という点において江副は強く惹かれました。なぜなら自分がリクルートで行ってきたことが認めれた気がしたからです。

 

ここまで本書を読んで江副の経営を振り返ってまさに、この3つは江副が行ってきたものだと私も思いました。

江副はリクルートを創業して学生たちにとってどこの企業の門戸でも叩ける機会をつくり、産業界にとって必要な学生を多数の中から選べる機会を開きました。これは両者にとってとても合理的であり、採用、就職の仕組み自体を改革したと思います。

 

さらに広告事業では一見、顧客は広告主だけに見えます。テスト事業でも顧客は人事部に見えます。しかし、江副は常に真の顧客は学生であると思い続けていました。学生のための紙面であり、学生のための適性を診断するためのテストです。学生という、今まで就職活動で受け身であった存在を顧客の対象と変えていったことで、顧客を創造したと思います。

 

そして、自分の大学時代の活動がきっかけで企業にまで至り、自分の考えを色々と具現化し、新しいことをどんどん恐れずやっていった姿勢はまさに実践から経営をしていると思います。

 


江副は自分の経営理念にかなったドラッカーを経営の師として、実際の経営理念にさらにとりいれていき、積極的に実践していきました。さらに経営面でドラッガーの教えをもとに 社会への貢献、商業的合理性の追求、個人の尊重をリクルートのモットーにしました。こういったリクルートの経営理念の裏側にはドラッカーの存在が隠されていたと判明しました。